小学校中学年(3年生・4年生)向け読書感想文におすすめの本10選

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小学校3年生、4年生というと中学年、と一言で括られてしまう学年ですが、意外と差はあるのではないでしょうか。4年生の中には高学年向けの内容を好む子供もいるでしょうし、3年生の中にはまだまだ読書は苦手かな、と尻込みしている子供もいます。
そんな中学年の子供たちにそれぞれおすすめ本を集めてみましたので、読書感想文のお手伝いにいかがでしょうか。

小学校中学年向け読書感想文におすすめの本10選

りすのきょうだいとふしぎなたね


読書がちょっと苦手な3年生向け。可愛いリスのキャラクターときれいな色使いのイラストが施されているので絵本感覚で読み進められます。
おばあちゃんがくれた木の実のブローチを、森の中に落としてしまったリスの兄妹が一生懸命探しているとふしぎな種を拾います。その種の正体を突き止めようと兄妹はパン屋さんへ聞きに行ったり図書館へ図鑑を探しに行ったりといろいろ調べていきます。目当ての図鑑はみつからなかったけれど、リスの兄弟は代わりに素敵な絵本を読むことになります。
語り部である「やさしい雨」の柔らかで温かみのある口調がほっとする1冊です。

ありがとうの道


低学年向けになっていますがとても素敵なお話なので、読書がまだまだ苦手という3年生向けとしておすすめします。
ヤマネの姉弟が住んでいる桜の木は、大雨が山を襲った晩に根っこごと流されてしまいますが、木はイカダとなり森の動物たちを救っていきます。いつもなら襲って食べてしまうウサギをオオカミが助け、そんな彼らをヤマネの姉弟が桜の木へ移るよう声をかけます。アライグマやキツネ、リスもみんないっしょに桜の木につかまって助かりますが、ウサギはオオカミが怖くてしかたがありません。ですが「今はそんな場合ではない」とオオカミは答えます。
災害に見舞われたとき、みんなが力をあわせて乗り越えるのだと、森の動物たちを通して教えてくれるすてきな1冊です。命を犠牲にして森のみんなを救った桜の木にもすてきなラストが用意されています。

ぱお~んおじさんとの夏


パーキンソン病という病気を抱えたまま読み語りをしているおじさんと、平和(ひらかず)くんは夏の動物園で出会います。
普段、難病であるパーキンソン病の患者さんと知り合う確立はいくらもないのではないでしょうか。この本はそんな難病を持ったぱお~んおじさんからパーキンソン病のことを教わります。
著者のかまだしゅんそうさん自身もパーキンソン病を抱えていらっしゃるので、本の中で語られる言葉には深みがあり、考えさせられることも多いです。

脱走ペンギンを追いかけて


小笠原諸島の父島から家族で都会(千葉県と東京との境)へ引っ越してきた小学3年生の高橋広太くんは、はじめこそどきどきワクワクしていた生活でしたが、学校でもスイミングスクールでもよそ者気分が抜けません。
そんな時、水族館からペンギンが脱走したというニュースを見て、やっぱり広い海で暮らしたいんのかなと広太くんは父島にいた頃の自分とペンギンを重ねます。図鑑で脱走したペンギンの種類を調べたり、隠れそうな場所を探してみたりとペンギンの探索を始めます。広太くんの行動を知ったことをきっかけにして、クラスメイトと広太くんの距離は少しずつ近づいていきます。
けれどそのペンギンがきっかけでせっかく仲良くなれた友だちとケンカをしてしまいます。ぶつかりながら、思うようにいかないことに焦れながらも仲間がいることの心強さや喜びを広太くんは学んでいきます。
広太くんと同じように、仲間の大切さを教えてくれる1冊になるのではないでしょうか。

ジャンケンの神さま


指の形は違っても世界共通のルールで勝負ができる「ジャンケン」。そのジャンケンの神さまが駄菓子屋『まる花』にいるというので、転校生ユウイチはすぐに仲良くなったショウタとミツルといっしょにさっそくまる花へ向かいます。そこには白いシャツとステテコ、ラクダの腹巻をした小さなおじいさんがいて、このおじいさんこそがジャンケンの神さまなのでした。
おじいさんからジャンケンの極意『見切り』を教わり、仲間の代表としてアイコが全米チャンピオンの「アンドレ・ザ・ボッチ」との対決に臨みます……。ファイターには二つ名が付き物で、「人間山脈」「さすらいの一匹狼」など、どこか懐かしさを感じさせてくれる面白さがあります(主にお父さんかおじいちゃん?)。
世界一簡単なルールで、しかも体の大きさや年齢の差も関係ないジャンケンは大人から子供まで共通して決着をつけることができます。
ジャンケンの極意を得ながら楽しく読める1冊です。

なかよしヤギ一家のECOプロジェクト


西武池袋線「武蔵横手駅」に住んでいるヤギの家族はれっきとしたお仕事を持った職員でもあります。それはプラットホーム脇にある空き地の草刈りです。
雑草というのはものすごい早さでグングンと育ちます。夏などは一気に加速するように伸びます。これを機械で刈ろうとすると、ガソリンが必要ですし草刈りを行っている間、保線所員は自分達の本来の仕事ができなくなります。ですが、ヤギに草刈りをしてもらうことでこの問題はどちらも解消されます。
お迎えするヤギの生態を勉強したり、小屋を作ったりと所員さんたちは一生懸命です。その様子や近くの保育所の園児達との触れ合いなども紹介されています。もちろん可愛いヤギの写真もたくさん掲載されています。子ヤギが突然生まれたという驚きのところではちょっと笑ってしまいます。
現在では全国でもヤギの草刈り隊が増え始めているようですので、もしかすると近くにいるかもしれません。

命がこぼれおちる前に


千葉市動物保護指導センターと植松雅美さんたち譲渡事業協力者のボランティア活動をされている方々の活動が書かれています。
自治体によって呼び名が「愛護センター」であったり、「保健所」がその業務を担っていたりしますが現状はどこも同じような状況です。また施設の大きさによって違いはありますが、“収容期限”が来れば持ち込まれた犬や猫は殺処分されるという現実も待っています。
そんな現状を少しでも減らそうと努力している方々の心の声の数々に耳を傾けてみませんか?この本をきっかけに親子で命とはなにかを考えてみるのもすばらしいことではないでしょうか。
美辞麗句はいっさいない率直な文章です。そこにこの本の素晴らしさはあると思います。
動物の命を真剣に考えることで、周囲はもちろん自分の命も大切に考えることができるのではないかと思います。

ぼくらの山の学校


人口流出が激しい小さな集落が舞台です。空高町外から集まった子供たちは山村留学センターを通して真夏の自然を満喫します。マムシを見に山へ入ったり、猟師の元さんからたくさんの体験談を聞いたりします。都会ではけして味わえない生の体験を、山や川、沢で子供たちは重ねていきます。
センターで初めて出会った年齢も違う彼らが次第に仲間へと変化していく様子に、自分もそこにいるかのような錯覚さえしますよ。
イノシシをさばくシーンはとても細い描写がされていてリアリティたっぷりなので、衝撃を受けるかもしれませんが、命をいただくことがどういうことなのかを、センターで生活している彼らと同じように理解できるかもしれません。

わたしのしゅうぜん横丁


主人公の女の子が旅行先の外国で迷子になり、不思議な男の子と出会います。その出会いをきっかけに女の子は修繕するお店だけが軒を連ねている修繕横丁へと迷い込みます。
タンスに人形、粘土細工などいろいろなお店の話が短編という形で収録されているのでどんどん読んでいけます。
ファンタジー好きにもおすすめしますよ!

いきもの最強バラエティー ウソナンデス


ほかの友だちとはちょっと違う雰囲気の本が読みたい、と思っている子供や動物が大好きで動物のことならいろんなことを知りたいという知識欲たっぷりの子に おすすめの本がこちらです。
誰もがよく知っている動物や鳥、魚たちの生態の中でうっかり勘違いされているものをしっかり訂正して教えてくれる図鑑とはかなり趣が異なっている本です。
愛嬌たっぷりにデフォルメされた動物キャラは子供心をがっちり掴んでくれるのではないでしょうか。
「ウソナンデス」「チガウンデス」や「イタンデス」など各章のタイトルもシャレが効いていて面白いですよ。
中には親も知らなかった事実なども含まれていて、親子の話題として盛り上がるかもしれませんね。わいわいと賑やかに家族みんなで楽しくなる1冊です。

まとめ

小学校3年生、4年生というと、幼さが残っている子もいればお兄ちゃんお姉ちゃんぶりをアピールしてくる大人びた子まで、幅広い個性が混在している学年です。
本の種類もファンタジーや冒険譚、伝記物からミステリーとどんどん増えていきます。読書好きの子なんかはすでに中学生向けのブ厚い本まで読破しているかもしれませんね。
なかなか本に手が出せない子には、イラスト多めの本や図鑑などもいいかもしれません。
難しい内容を読むばかりが読書ではありませんからね。
表紙の向こうにはいろんな物語や新しい発見があることをぜひこの機会に知ってほしいです!

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